お金がないけど辞めたい|失業保険・傷病手当金・後払いの選択肢|やめる準備室

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「辞めたいけど、貯金がない」
「辞めたら生活できなくなる」

この理由で動けない人は、とても多いです。そして、その不安はもっともです。

ただ、使える制度を知らないまま「無理だ」と決めている人も多いです。
この記事では、お金がない状態で辞めるときに何が使えるのか、いつ何にお金がかかるのかを、順番に整理します。

この記事の結論
  • 自己都合だと、失業保険が入るまで2〜3ヶ月かかります待期7日+給付制限1ヶ月。その間の生活費は自分で用意する必要があります。
  • 体調を崩しているなら、傷病手当金が使えるかもしれません給料のおよそ3分の2が、最長1年6ヶ月。失業保険より手厚いことが多い制度です。
  • 退職日は出勤しないでください出勤すると「働ける状態だった」と判断され、傷病手当金の継続給付が受けられなくなることがあります。
  • いちばん想定外なのは住民税です前年の所得にかかるため、収入がゼロでも請求が来ます。分割の相談はできます。
お金の不安は、金額が見えないうちがいちばん大きくなります。まず数字を出してみてください。
木のテーブルに置かれた貯金瓶と数枚の硬貨、そばに芽を出した植物
お金の不安は、金額が見えないうちがいちばん大きくなります。

辞めたあと、いつお金が入るのか

要点失業保険は辞めた翌月からは入りません。2〜3ヶ月かかります。

いちばん誤解が多いのがここです。失業保険は、辞めた翌月から入るわけではありません。

自己都合で辞めた場合のスケジュール

退職 離職票は10日ほどで届く 待期 7日 全員共通 給付制限 1ヶ月 自己都合のみ 初回振込 認定後 退職から初回振込まで、およそ2〜3ヶ月 この間の生活費は、自分で用意する必要があります ※会社都合なら給付制限がなく、およそ1ヶ月で振り込まれます

2025年4月から、自己都合の給付制限は2ヶ月から1ヶ月に短縮されました。

つまり、最低でも2〜3ヶ月分の生活費は必要ということです。ここを知らずに勢いで辞めると、いちばん苦しい時期に無収入になります。

さらに注意点があります。自己都合で辞める場合、失業保険を受け取るには離職前2年間に雇用保険の加入が12ヶ月以上必要です。入社1年未満だと、そもそも受給できない可能性があります。前職と通算できる場合もあるので、ハローワークで確認してください。
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体調を崩している人へ|傷病手当金という制度

要点働けない状態なら、失業保険より傷病手当金のほうが手厚いことがあります。

ここが、この記事でいちばん知ってほしい部分です。

心や体の不調で働けない状態なら、失業保険ではなく「傷病手当金」が使える可能性があります。健康保険の制度で、意外と知られていません。

傷病手当金の基本
  • 金額は、給料のおよそ3分の2。直近12ヶ月の標準報酬月額の平均 ÷ 30 × 2/3 が1日あたりの額です。
  • 期間は、支給開始から通算1年6ヶ月。失業保険(90〜150日)より長く受け取れます。
  • 会社を連続3日休む(待期)と、4日目から対象になります。
  • 業務外の病気やケガが対象です。うつ病などの精神疾患も含まれます。
  • 休んだ期間に給与が支払われていないことが条件です。

退職後も受け取り続けられる場合があります

ここが重要です。次の2つを満たしていれば、退職した後も引き続き受給できます(資格喪失後の継続給付)。

継続給付の条件
① 退職日までに、健康保険の被保険者期間が継続して1年以上あること
② 退職日の前日の時点で、傷病手当金を受けているか、受けられる状態にあること

月給30万円の人なら、1日あたりおよそ6,600円。ひと月で約20万円です。これが最長1年6ヶ月続く可能性があります。失業保険より手厚いケースが多いのは、このためです。

大きな落とし穴が1つあります。退職日に出勤してしまうと「働ける状態だった」と判断され、継続給付が受けられなくなることがあります。退職日は出勤しないようにしてください。挨拶に行くのも避けたほうが安全です。
この制度を知らずに、体調を崩したまま無理に働き続けてしまう人がいます。まず病院に行って、医師に相談してみてください。診断があれば申請できます。

傷病手当金と失業保険は同時にもらえません

失業保険は「働ける人」が対象、傷病手当金は「働けない人」が対象なので、両立しません。ただし失業保険には受給期間の延長制度があり、病気で働けない間は受給期間を最大3年間延ばせます。退職後30日を過ぎたらハローワークで手続きしてください。

つまり「傷病手当金で療養 → 回復してから失業保険」という順番が使えます。

辞めたあとに出ていくお金

要点住民税は前年の所得にかかります。無収入でも請求が来ます。

入ってくるお金だけでなく、出ていくお金も把握しておいてください。想定外なのは、たいてい住民税です。

項目内容
健康保険国民健康保険に加入するか、前職の健康保険を任意継続(最長2年)。どちらが安いかは要確認
年金国民年金へ切り替え。月額はおよそ1万7千円台
住民税前年の所得に対してかかります。収入がなくても請求が来ます
住民税がいちばんきついです。住民税は前年の所得に対して課税されるため、辞めて収入がゼロになっても、去年働いていた分の請求が来ます。年収400万円なら、年間およそ17〜20万円。退職時期によっては、残りが一括で請求されることもあります。

負担を減らせる制度

要点国保の軽減も年金の免除も、申請しないと適用されません。

知っていれば減らせるものがあります。

申請すれば軽くなるもの
  • 国民健康保険の軽減。会社都合や特定理由での離職なら、前年の給与所得を30%として計算する軽減制度があります(対象者は保険料が大幅に下がります)。
  • 健康保険の任意継続との比較。扶養家族がいる人は任意継続のほうが安いことが多いです。市区町村の窓口で試算してもらえます。
  • 国民年金の免除・猶予。収入が減った場合、申請すれば全額または一部が免除されることがあります。免除期間も受給資格期間には算入されます。
  • 住民税の分割・猶予。一括が難しい場合、市区町村に相談すると分割にしてもらえることがあります。

どれも申請しないと適用されません。黙っていても向こうからは教えてくれないので、退職が決まったら市区町村の窓口で「退職したので、使える軽減制度を教えてください」と聞いてみてください。

退職代行の費用が払えないとき

要点費用が出せないなら、自分で出すか、後払い対応を使う手があります。

「もう限界だけど、退職代行の費用も出せない」という人もいます。

この場合、選択肢は2つです。

1. 自分で退職届を出す

費用はゼロです。期間の定めのない雇用なら、申し出から14日で退職が成立します。郵送でも構いません。会社と顔を合わせずに済ませることも可能です。

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2. 後払いに対応した退職代行を使う

退職代行の中には、後払いに対応しているサービスがあります。手元にお金がなくても依頼でき、支払いは後回しにできます。

費用は2万7千円前後が目安です。有給が10日以上残っているなら、消化できる分だけで費用を上回ることも多いので、結果的にプラスになる場合もあります。

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辞める前にやっておくこと

要点体調に不安があるなら、辞める前に受診しておいてください。
お金の面での準備
  • 有給の残日数を確認する。20日あれば約1ヶ月分の給料です。消化してから辞めれば、その分の収入が入ります。
  • 体調に不安があるなら、辞める前に受診する。在職中に傷病手当金の受給を始めておくと、退職後も継続できる可能性があります。
  • 失業保険の額を計算しておく。いつ、いくら入るかが分かると、必要な貯金額が見えます。
  • 住民税の残額を確認する。給与明細か、市区町村から届く通知書で分かります。
  • 離職票の送付先を伝えておく。これがないと失業保険の手続きが始まりません。

とくに2つ目は順番が重要です。退職してから受診しても、傷病手当金の継続給付は使えません。在職中に始めておく必要があります。体調に不安があるなら、辞める前に一度病院へ行ってください。

よくある質問

要点よく聞かれることをまとめています。
貯金ゼロでも辞められますか?
辞めること自体はできます。ただし失業保険は自己都合だと2〜3ヶ月入りません。有給の消化、傷病手当金、各種の減免制度を組み合わせて、無収入の期間をどう乗り切るかを先に計算してください。
傷病手当金は、うつ病でももらえますか?
業務外の病気やケガが対象なので、うつ病などの精神疾患も含まれます。医師の意見書が必要になるため、まず受診してください。
会社に傷病手当金のことを言いにくいです
申請書には会社の証明欄がありますが、退職後であれば会社を経由せず、加入していた健康保険組合や協会けんぽに直接提出できる場合があります。まず保険者に問い合わせてみてください。
失業保険をもらいながらアルバイトできますか?
条件付きで可能ですが、働いた日数や収入によって支給が減額または先送りになります。必ずハローワークに申告してください。無申告は不正受給になり、返還や罰則の対象になります。
退職代行の費用は誰が払うのですか?
依頼者本人です。会社が負担するものではありません。後払いに対応しているサービスなら、手元にお金がなくても依頼できます。
生活が本当に苦しいときは?
お住まいの市区町村の福祉窓口や、社会福祉協議会の生活福祉資金貸付制度など、公的な支援があります。ひとりで抱え込まず、まず相談してください。

まとめ

この記事のポイント

  • 自己都合退職だと、失業保険の初回振込まで2〜3ヶ月かかる。その間の生活費は自分で用意する必要がある
  • 体調を崩しているなら、傷病手当金が使える可能性がある。給料のおよそ3分の2が最長1年6ヶ月
  • 傷病手当金を退職後も受け取るには、被保険者期間1年以上と、退職日に出勤しないことが条件
  • 出ていくお金でいちばんきついのは住民税。前年の所得にかかるため、無収入でも請求が来る
  • 国保の軽減、年金の免除、住民税の分割は、申請すれば負担を減らせる
  • 退職代行の費用が出せないなら、自分で退職届を出すか、後払い対応のサービスを使う

お金の不安は、金額が見えないうちがいちばん大きくなります。

実際に計算してみると、思っていたより持ちこたえられることもあります。まず数字を出してみてください。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的・税務的判断を行うものではありません。記載内容は執筆時点の法令・公表情報に基づいています。傷病手当金の受給可否や金額は、加入している健康保険(協会けんぽ・健康保険組合等)にご確認ください。失業保険の受給可否や金額はハローワークで、保険料や税の軽減制度についてはお住まいの市区町村の窓口でご確認ください。当サイトは広告(アフィリエイト)を含みます。心身の不調が続く場合は、無理をせず医療機関や公的な相談窓口もご利用ください。生活にお困りの場合は、市区町村の福祉窓口や社会福祉協議会にご相談いただけます。